Aurora Lab.





SLEEPING GIRL

Category : Graphic, Typography, Word 2月 27th, 2006

髪を、切りたくなって、どうしようもなく、そわそわとし始める。私はよく、髪型を変えたくなるのだけれど、きまって、それは、なにか辛いとき。わたしの胸は、きっと、ダムみたいなんだ。でも、溜まった水は、出てこない。だって、穴がないんだもん。だから、溢れて、髪を切りたくなる。ばっさり。このまえ、どうして髪を染めるの?と、あるひとに訊かれた。私もどうしてだろう、って、いつも、いつも、考えていたこと、それで、私は、うまく言えなかった。今日、美容室へ行ってきた。今も、あんまり、長いほうではないから、そんなに、ばっさり。っていうわけにはいかなかったけれど、たくさん切ってもらった。お店に行く途中、ふと、こんな髪型にしたいな。って思いついて、それは中村獅童、なんだけど、きっと、人相が似てるから、うまく合うはず。サク、サクって、気持ちのいい、好きな音を聞いているうちに、出来上がって、鏡を見たら、うん、悪くない。決して、同じではないけれど、なんだか、ジョニーロットンを好きなひと、みたいで気に入った。

 

家に帰って、スイートポテトが入ったアップルパイを、一口づつ、小さく、フォークで切りながら、ガリヴァー旅行記を、クスクスとして読んでいたら、うとうとしてきて、読みかけのページに、しおりを挟むのも忘れて、寝ちゃった。そして、夢を見た。夜、家にいると、急に大きな、低い、轟くような、音がして、あわてて外に出て、真っ黒な空を、睨むように、目を凝らすと、だんだんと、大きなものの輪郭が見えてきて、それは、最新のとっても大きな、エアバスの飛行機。そのまわりには、無数の、普通の飛行機が、それを取り囲むように、避けるように、ついていて、目の前の高さを、炎に包まれながら、斜めにゆっくり、飛んでいた。まるで、宮崎駿の世界みたい。すごく怖くなって、あわてて家に駆け戻って、みんなに伝えようとしたんだけど、みんな居なくて、テレビをつけて、ニュースになっていないか、探してみたんだけど、やっぱりやってた。中年女性の女のひとが、真面目な顔をして、慌てたように、伝えていた。これってみたことある。そう、9・11のときと同じ。怖くて部屋の電灯をつけようとしたんだけど、つかない。きっと停電してるんだ。

 

起きたら、部屋は真っ暗で、なんだか、不思議な違和感。フワフワして、まるで夢の続きみたい。だから、昨日起こった事を思い出しちゃった。昨日、ある友人と会って、いろいろ話したんだけど、その人が、この服のコーディネートどうかな?って意見を求めて、私は、そうしないほうがいいって、言ったの。だって、本当に、変だと思ったから。そしたら、そのひと、すごく怒っちゃって、私、そのまま帰っちゃった。そのあと、すごく悲しくなって、言い過ぎた。ごめんなさいって、メールしたら、すぐに返事が来て、もう大丈夫だよ。って言ってくれたんだけど、そのつづきに、また矛盾したことが書いてあって、私、また何か言いたくなっちゃった。でも、我慢して、黙ってた。そのひと、ううん、たくさんのひとは、とても不思議。どう思う?とか、どうしよう?って訊いてくるのに、こう思うとか、こうしたらって言うと、みんな怒ったり、黙ったりする。私が言うだろうって、ことを、みんな想像できているはずなのに、そう言うと、反対したり、無視する。正直に思ったこと、考えていることを話すと、条件反射で反対するひともたくさんいるみたい。もしかして、私はみんなを、すごく傷つけているのかな。嫌だ、もっとしゃべれなくなっちゃう。

 

やっぱり、私は、みんなとひとつになりたい。

 

Influenced by Osamu Dazai “女生徒”  

 

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